OSをふっとばされたタブレットPCにUbuntuを入れてみた

今年も大須へ初詣に行ってきました。

大体のお店は2日が初売りなので、2日に出かけるのはここ数年の定番です。

で、大須ということでパソコンショップパウさん、佐古前装備さんで散財してきました(Tweetはパウさんで買ったものだけですがw)。

このツイートのなかで言及している「ちょっとした実験」というのが今回のネタです。

写真の中に写っているこのタブレット、ロゴにある通りWindowsが動くタブレットです。値段はジャンク価格でなんと1000円でしたw。

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このタブレットの型番を調べたところ、TEKWIND CLIDE J08A-W10HBKというモデルらしいです。

item.rakuten.co.jp

メーカーサイトにも掲載がなくて、中古の商品ページしか無いくらい圧倒的にマイナーな機種でしたw。

で今回手に入れたタブレットですが、給電は問題なくて電源も入りますが肝心なOSはストレージがフォーマットされてOSが無いためジャンク扱いになっています。

1箇所だけ欠けていましたが、画面割れもなく液晶もしっかり映ったのでOS入れればすぐ使えそうだと予想しました。

というわけで、今回はこのタブレットPCUbuntuを入れてみたいと思います(最初からUbuntuが動くタブレットが欲しくて改造し放題のタブレットを買ったのもあります)。

UEFI

まずは、このタブレット自体が正常に機能しているかを確認するべく、UEFI(BIOSと同じやつ)が起動できるかを確認します。

ということでタブレットにキーボードとマウスを接続する必要があります。

ただ、このタブレットにはMicro USB端子が1つしか無いためここからキーボードとマウスを接続する必要があります。

僕はRaspberry Pi zero用に買ったMicro USBハブを持っていたのでそれを使いましたが、作業していると給電しないと心もとないので、もし同じようなタブレットを買った方は給電もできるハブを買うことをおすすめします(こっちはtypeAが1つしか無いのでもう一つハブを買う必要がありますが…)。

www.monotaro.com

僕は手元に合ったハブでとりあえずキーボードだけつないで動かしてみました。

電源入れた直後にEscキーを連打するとUEFIが起動します。

以下のように6つのメニューが表示されたので、そこまで確認出来たらOSのインストールすれば動く可能性大です。

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インストールメディアを作成

タブレット自体が死んでないことを確認したところで、Ubuntuのインストールメディアを作成していきます。

作成は以前書いたブログの通りですが、今回はタブレットPCにインストールする都合上、細かい手順が違うのでそこだけ補足します。

supernove.hatenadiary.jp

イメージの書き込み

OSイメージをダウンロードしてUSBメモリーに書き込むときに以前はEtcherを使いましたが、これだとイメージのサイズに合わせてパーティションが勝手に作られるため、後述する追加のファイルを入れることが出来ません。

そこで今回はRufusを使ってイメージを書き込みます。

以下のリンクからRufusをインストールします。

rufus.ie

インストールしてRufusを起動します。

ブートの種類でダウンロードしたUbuntuのイメージを選択したら保存領域のサイズは適当に5GBぐらいに設定します。

後はデフォルトのままで スタートボタンを押したら書き込みが始まります。

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書き込みが完了したらこのまま引っこ抜かずに次の手順に進みます。

OSの起動ファイルの用意

今回のタブレットは32bitのOSしか動かせません。なのでそのままインストールメディアを繋いでも起動できません。

ですが、調べてみると起動ファイルを用意すれば32ビットでもUbuntu 20.04を起動できそうです。

hito-log.com

その起動ファイルは以下のリンクからダウンロードします。

github.com

ダウンロードしたファイルは、書き込んだインストールメディアの中の EFI\BOOTディレクトリに保存します。

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これで、インストールメディアの準備は完了なのでパソコンから抜いておきます。

インストール

それでは、インストールしていきます。

USBハブにマウス、キーボードとインストールメディアを繋いで電源を入れます。

電源を入れて放置すると以下の用にGRUBメニューが起動します。

見づらいですがメニューの一番上にある Ubuntuを選択します。

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しばらく待つとUbuntuの起動画面が表示されるので、Install Ubuntu 20.04を選択します。

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後は画面の指示に従って進めればインストールは問題なく完了します。

ただ、ちょっと目を離すと画面が消えてそのまま電源が落ちるので、画面が暗くなったらキーボードやマウスをいじって画面が消えないようにしましょう。

インストール後、再起動したときに「インストールメディアを取り除いてね」と出てきたらUSBを引っこ抜いてEnterキー叩きます。

そして、以下のようにデスクトップが表示されたらインストールは完了です!

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おまけ

画面がタブレットの向きに合わせて回転しますが、画面の向きが逆になってしまいます。

そこでキーボードを使っている前提ですが、カスタムのコマンドを用意します。

カスタムのコマンドの実行に使うスクリプトは以下の記事を参考にします。

cpplover.blogspot.com

記事のスクリプトから指定するディスプレイIDを変更して、以下のスクリプトrotate_displayというファイル名で /usr/binディレクトリに保存します。

保存後、以下のコマンドで実行権限を与えてあげます。

sudo chmod +x /usr/bin/rotate_display

動作確認で以下のコマンドを実行すれば画面が交互に回転するようになります。

rotate_display

あとはここから 設定→キーボードショートカットでカスタムのショートカットキーを用意すればショートカットキーで簡単にタブレットの画面を回転できます。 (なんか画面の向きを変えるショートカットキーがあった気がするけどまぁいいか…)

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まとめ

今回はジャンクのタブレットUbuntuを入れてみました。

32bitのOSしか動作できないとのことでしたが、思ってたよりも動作がもっさりしてなくて重い処理じゃないければ大丈夫な気がします。

何よりめちゃくちゃ安い価格でタブレットを使える状態までできたので、2022年初の買ってよかったものに認定します。

ただ、タッチスクリーンやカメラが動かないのでそれはいつかなんとかしたいと思ってます…

もしかしたら、他のLinuxだとちゃんと認識したという話もあるので気力があれば入れ直して検証してみようかなと思います。

今度行ったときにもう1台あったら買おうかなw